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オープンレクチュアin香川・道中記
トトロ氏と行く管理人の四国旅行、三泊四日の冒険の全記録
管理人

2000.3.10ー3.13 四国


プロローグ
珍道中は最初から珍である
まずは、うどんである
スケールアウトである
本番である
観光旅行は土佐の高知である

写真提供:T.KAN氏(3Dファン倶楽部)、トトロ殿

*メール、資料の引用について
支障がある場合は削除いたします。管理人まで御一報下さい。

プロローグ

大好評の北海道東海大学のオープンレクチュア
噂を聞き付けて、遠く四国からお呼びが掛かりましたぞ。

3Dファン倶楽部+VectorWorksClub四国
1999年度オープンレクチャ記録ページ
1998年度オープンレクチャ記録ページ


弥生三月春のこと
トトロ殿、ゴンスケ殿、管理人の三名は、
吹雪の中、はるか南、うどんの国へと旅立つのでした。


管理人さんのEXPOレポートだぁ
  トトロ
email:
totoro@badboy.co.jp  Tue Feb 22 12:05:49 Japan 2000

江戸のOFF会第2弾レポートと 管理人さんのEXPOレポートだぁ(^^)
次はオープンレクチュア巡業香川編(香川-高知)の二人旅ですね...



角屋さんでも   管理人
email:
aoyama@hokkai.or.jp  Wed Feb 23 1:41:47 Japan 2000

角屋さんのホームページでも管理人のサイン会の様子をアップしてくださいました。
お世話をかけた上に、さらなるフォロー、まことに有り難いことです。
http://www.aanda.co.jp/CAD-YA/index.html

さて、管理人はトトロ殿との二人旅をとても心配しています。
管理人のかけまくる面倒を、お一人だけで背負いきれるでしょうか?
すでに航空券予約をはじめ、観光ルートやメニューまで、お任せ状態です。
きっと、痩せます。


Re:角屋さんでも   トトロ
email:
totoro@badboy.co.jp  Wed Feb 23 17:02:34 Japan 2000

管理人さん>さて、管理人はトトロ殿との二人旅をとても心配しています。
私も心配です...「帝国ホテル宿泊+A級グルメ」の管理人さんと
「カプセル泊OK+C級グルメ(またはゲテモノ食い)」の私の二人旅ですから(^^;...

管理人さん> 管理人のかけまくる面倒を、お一人だけで背負いきれるでしょうか?
管理人さん> すでに航空券予約をはじめ、観光ルートやメニューまで、お任せ状態です。
それは誤解です...「だいたいこんな感じ」が決まってるだけで、あとは
「行き当たりばったり」という計画(普通こう言うのは計画とは言わない)ですから。

管理人さん> きっと、痩せます。
ん〜ちょっとは痩せたいのですが...美味しいものが沢山ありそうなのでたぶん無理でしょう...


珍道中   ゴンスケ
email:
lord_gonsuke@hotmail.com  Fri Feb 25 23:39:03 Japan 2000

さっき気づいたのですが、「管理人さん&トトロさん」を
本名のイニシャルで書くと「B&W」、旧G3マシンです。
だからどうしたと言われても困るのですが、珍道中になることは
確実で、いまからレポートが楽しみです。

さて、オープンレクチャin香川、着々と準備は進んでいます。
ぜひ進捗状況をごらんください。
http://matsuyama.cool.ne.jp/u_soho/



Re:珍道中   ゴンスケ
email:
lord_gonsuke@hotmail.com  Fri Feb 25 23:42:06 Japan 2000

自己レスですみません。
管理人さんの本名がBなのではなく、某サイトでのハンドルがBでした。(^^;)


オープンレクチャin香川   管理人
email:
aoyama@hokkai.or.jp  Wed Mar 1 17:12:26 Japan 2000

四国巡業の準備は着々と進行中!
http://matsuyama.cool.ne.jp/u_soho/
インターネットで出来ること、色々ありそうですね。


四国のオープンレクチュア   管理人
email:
aoyama@hokkai.or.jp  Sat Mar 4 18:48:26 Japan 2000

四国でのオープンレクチュアは、参加者が50名を突破して増加中です。
全員が建築畑ではないのですが、皆さんプロであることに変わりはありません。
様々なCADやCGソフトの使い手たちの集団を前に、管理人に何ができるでしょう?
ただいま、管理人はビビリマクリブであります。
コラボレーションが終わると懇親会なのですが、これがまた恐怖です。
こちらの参加者は60名を超えています。(宴会好きが多い? とんでもにゃい!)
オープンレクチュアで管理人がへまをすると、ビシバシと質問の雨霰になるでしょう。
無論、そのときはトトロ殿の陰に隠れるつもりです。
すでに事態は、のっぴきならない所まで進んでしまってます。
http://matsuyama.cool.ne.jp/u_soho/


Re:四国のオープンレクチュア   ゴンスケ
email:
lord_gonsuke@hotmail.com  Sun Mar 5 10:20:09 Japan 2000

>無論、そのときはトトロ殿の陰に隠れるつもりです。

えっと、形態的には可能だと思いますが、司会者は許しませんぞ!



続:四国のオープンレクチュア   管理人
email:
aoyama@hokkai.or.jp  Wed Mar 8 10:56:54 Japan 2000

四国のオープンレクチュアに、ゴンスケ氏作成の綺麗なデータがアップされました。
http://matsuyama.cool.ne.jp/u_soho/



行ってきま〜す   ゴンスケ
email:
lord_gonsuke@hotmail.com  Thu Mar 9 7:47:28 Japan 2000

管理人さん、トトロさん、一足お先に出発します。
香川で会いましょう。



RE:行ってきま〜す   管理人
email:
aoyama@hokkai.or.jp  Thu Mar 9 9:17:49 Japan 2000

ゴンスケ殿、いってらっしゃ〜い... (^O^)/~
我々(トトロ殿&管理人)は明日、追っかけます。
でも、私の所、雪がすごいで〜す。明日は大丈夫だろうなあ…
昨日はブリザードで、視界最悪、道路がどこか判らない状態でした。
南空知地方(管理人の近所)には大雪警報が出たんです。
所により(管理人のうちの事だと思う)局地的な大雪とのことでした。
その通りで、朝になると30cm積ってました。
香川って雪が降るのかなあ、何を着ていけばいいのかなあ…
暖かいって言われたし、アロハシャツでいいかなあ…



いってらっしゃ〜い   因幡の白兎
email:
rinki@spica.freemail.ne.jp  Thu Mar 9 14:37:41 Japan 2000

今回も例のリアルタイムレポートをやるのでしょうか?
以前の
>じつはホームページを利用した、さらに遠大な計画があったのですが、
>管理人の未熟さゆえ、今回は断念したのです。次回に試みます。
というのは、今回見られるのでしょうか?楽しみにしています。
それでは、お気を付けて・・・。



Re:いってらっしゃ〜い   魔法使いトトロ
email:
totoro@badboy.co.jp  Thu Mar 9 16:13:55 Japan 2000

因幡の白兎さん>今回も例のリアルタイムレポートをやるのでしょうか?

会場はインターネット完備のようなので是非チャレンジしてみたいと
思います。宿に帰ってからではなくて、会場その場でページ更新!。
「おさかな邸うどん的SOHO計画」HPをチェックして下さいね(^^)。
http://matsuyama.cool.ne.jp/u_soho/

すでにゴンスケ殿は目的地にお着きなのですね...きっと...。



Re:いってらっしゃ〜い   管理人
email:
aoyama@hokkai.or.jp  Thu Mar 9 17:08:48 Japan 2000

> 会場はインターネット完備のようなので是非チャレンジしてみたいと
> 思います。宿に帰ってからではなくて、会場その場でページ更新!。
>「おさかな邸うどん的SOHO計画」HPをチェックして下さいね(^^)。

おおお! すごい事になって来ました。
これは、オープンレクチュアの実況中継ですな。
じつは、前回もトトロ殿は同時進行で『まとめホームページ』を作成されました。
今回は、それをインターネットにリアルタイムでアップする計画のようです。
オープンレクチュアは丸一日の長丁場です。
当日は是非、頻繁にホームページをチェックして下さい。さ、ブックマークして!
後からまとめてご覧頂くのとでは臨場感が違います。今の香川の息吹きを感じます。
3月11日の9:30〜12:00がコラボレーション、13:00〜16:00がワークショップ。
http://matsuyama.cool.ne.jp/u_soho/



いってきま〜す   管理人
email:
aoyama@hokkai.or.jp  Fri Mar 10 6:32:30 Japan 2000

雪は上がってます。
トトロ殿はすでにご自宅を出られたはず。
二人は千歳空港で落ち合う手はずになっています。
さて、管理人との珍道中のはじまり、はじまり!

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珍道中は最初から珍である

2000年3月10日早朝
管理人は千歳の空港へ向けて出発
しかし、そのとき、すでに時空間の歪みは発生していたのである
タイムスリップに巻き込まれた、管理人とトトロ氏の運命やいかに!


高松珍道中   魔法使いトトロ
email:
totoro@badboy.co.jp  Sat Mar 11 0:22:27 Japan 2000

管理人さんは、
千歳AM10:10発予定の飛行機にAM10:35に乗込むという離れ技を披露された。


上記は、クラブの喫茶室に書き込まれた、トトロ殿の第一報であります。
このモバイルレポートをお読みになった皆さんは、いかなる解釈をされたでしょう?

1.管理人は離陸上昇中の飛行機に、高度5000m辺りで飛び乗った。
2.管理人は(偉いので)飛行機の出発を待たせたに違いない。
3.管理人は3次元CADを駆使して、4次元的に時間を歪ませたと思ふ。
4.管理人は、よくあるタイムスリップに巻き込まれただけである。

正解は、

5. 管理人は運が良い。
です。


当日の空は青く晴れ渡っており、絶好のドライブ日和に思われました。ですから、管理人はいつものように余裕たっぷり3時間半という馬鹿馬鹿しい慎重さで、高速道路のインターへ向かいました。何事もなければ、空港までは1時間と10分で到着するのです。

はて? インターのかなり手前にある電光掲示板に『吹雪き通行止め』という理解不能な文字が並んでいます。青空なのに何を言うちょるか、と管理人は思いました。ですから、そのままインターの入り口に向かって車を進めました。と、渋滞です。あれまあ!『通行止め』は本当でした。ついでですが『吹雪き』も本当でした。

どうやら、晴れ渡っていたのは管理人の家の真上だけだったようです。高速を諦め、一般道を1kmも行かないうちに、管理人は猛烈な吹雪の中にいました。車間距離5mでノロノロ運転ですが、前の車のテールランプが見えません。気温もカクンと下がり、ワイパーに雪が凍り着き始めました。これはマズイです。すでに走り始めて30分ですが、3km離れた隣町まで来ただけです。このペースでは1時間に6km、つまり時速6kmですか?
千歳までは100kmくらいありますが、さて、何時間後に着くでしょう?

札幌の近くまで来ました。普段は3車線の道路が1車線になっています。除雪が追い付かないからです。ここまでひどい雪の降り方は、そうそうあるものではありません。なぜ今日に限って、そんな珍しいことになるのでしょう? 一説に、管理人は雪男である、という見方があります。イエティーのことではありません。雨女は冬期間は雪女になり、男の場合は雪男になる、という意見です。

札幌はすでに雪があがり、太陽が顔を出しています。管理人はヘッドライトを消し、リアのフォグランプも消しました。目指すは高速道路のジャンクションです。札幌と千歳の間の高速道路が雪で閉鎖ということは、まずありません。ここから高速に乗れば楽勝です。はて? ジャンクションのかなり手前にある電光掲示板に『吹雪き通行止め』という理解不能な文字が並んでいます。青空なのに何を言うちょるか、と管理人は思いました。

いま、管理人は札幌から千歳に向かう一般道で渋滞中です。交通情報によると長さ1kmの渋滞とのことです。なるほどぎっしりです。おまけに滑ります。気温が上がり、圧雪の表面に水が浮いているのです。この状態はスタッドレスタイヤのもっとも苦手とするところで、じつによく滑ります。ブレーキペダルは無いも同然ですし、車が横にも流れます。こうなると、青信号になっても発進できない車が出てきます。渋滞に拍車がかかります。
ふと、管理人は前夜頂いたメールのことを思い出しました。トトロ殿が(嫌いなのに)携帯電話を持たされたという内容でした。管理人は、念のため、その番号をメモしておいたのです。いまこそ念のためを生かすときではありませんか? 
おお、メモがありましたぞ、ピッポッパ。

賢明なトトロ殿は、JRを使われて、すでに空港に到着されていました。しかも、有り難いことに、携帯電話の電源を(嫌いなのに)入れていたのです。かくして30分おきに管理人から状況報告がなされたわけです。
「札幌の出口で詰まってます。1kmの渋滞です」
「同じ所で詰まってます。1.2kmの渋滞です」
「まだ詰まってます。1.5kmの渋滞です」

渋滞の長さはラジオの交通情報によるものですが、それによると、管理人は後ずさりしているに違いありません。時刻はそろそろ10時、皆様の丸井、開店のお時間です。
トトロ殿は管理人の到着を待つとおっしゃって下さいましたが、すでに絶望的です。飛行機は10時10分発なのです。ここから空港まで30kmあります。
「私に構わず、先に行って下さい」というB級映画の台詞を自分が言うはめになるとは、管理人はまったく夢にも思っていませんでした。空港での余裕の2時間をどう過ごすかまで考えていたのですからね。モーニングサービスでパンケーキを食べるつもりでした。シロップをたーっぷりかけて…。紅茶は3杯はお代わりする計画だったのです。

高速道路は相変わらず閉鎖です。夕張方面の高速も吹雪きで止まっています。
じつは管理人宅から空港へは近道があります。札幌経由は三角形の2辺を走りますが、底辺を通る近道があるのです。しかし、夕張方面が吹雪きなら、そちらは走行不能な状態に違いありません。選ばなくて正解でした。(いまさら違いはないですが)

やっと渋滞の先頭に来ました。むむ! ここから高速道路が開通してますとな!
管理人は、高速の入り口に向けてハンドルを切り、アクセルをグイッと踏み込みました。タイヤがスピンして自動的にブレーキが作動しました。車は進みません。あれま。

離陸まで5分、空港までの距離20km、高速道路は除雪不完全、50kmの速度制限。
ことここに到り、管理人はトトロ殿に最後のメッセージを送りました。
「ぶっ飛ばします」

よく覚えていません…
ただ、追い越し車線が雪で埋まっているときには、追い越しはしない方が良いとか、高速道路での四輪ドリフトは初めての経験であるとか、50km規制は守った方が良いとか、まあ、そういった感想です。高速を降りると、空港までは10分の距離です。(普通は)

空港の駐車場に飛び込んで、車を乗り捨て(御心配なく、手配してあります)、さあ、全力疾走です。10年ぶりかなあ、いや、この20年間くらい走っていないなあ。航空会社のカウンタまで歩いて10分ですが、全力疾走したので15分もかかりました。息も絶え絶えの所にトトロ殿から電話が入りました。「離陸時間なのですが、どこにいますかあ?」。管理人は元気よく答えました。「ゼイ、ハアァ」

カウンタのおねいさんが出発ロビーに電話を入れてくれました。受話器を置くやいなや、「この方、ケアします」とか何とか言って、管理人の先に立ち、駆け出しました。
ちょっと待って!

管理人は最後の乗客として、ドアをくぐりました。乗り込むと目の前にトトロ殿が微笑んでいました。管理人が席に着くと、飛行機が動き始めました。かくして、管理人は機上の人となりました。時刻は10時35分。一日一便しかない高松直行便です。

千歳空港は雪で一時閉鎖されていたそうです。その後の除雪のため、出発は20分遅れになったそうです。まあ、そのおかげで管理人は間に合ったという訳ですな。え?時間が合わないですか? 10時10分から20分遅れなら、10時30分ですな。ふむ、実際には10時35分に出発しましたから、さらに5分の遅れがありますね。きっと誰かが、さらに出発を遅らせたのでしょうな。傍迷惑なことですね。

ちなみに、管理人が息を整えて、トトロ殿と会話できたのは仙台上空でした。


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まずは、うどんである


快適な飛行でした。管理人は窓に張り付いて、眼下を眺め、悦に入っていました。空を飛ぶのは大好きです。わーい!富士山が見えました(たぶん、そうだと思います)。
2時間で四国が見えてきました。すでに高度はかなり下がっています。ボコボコした山が翼と同じ高さに並んでいます。山また山で平らな所がありません。あちこちに溜め池がたくさん見えます。やあ、人の姿まで見えますよ。おいおい、低すぎないですかあ? 果たして正しいコースを飛んでいるのでしょうか。そういえば、高度も一向に下がりません。山の頂と同じ高さを保っています。これは一言キャプテンに忠告した方が…
と、車輪が滑走路に触れました。ううむ、山の上に降りたのかあ…。

高松空港はこじんまりしています。なんとなく「各駅停車の空港」という言葉が浮かびました。一目で全てが見えるというのは管理人の好みです。
さて、トトロ殿、これから何処へ行くんですかあ?
何しろ、管理人はトトロ殿にお任せです。なあーんにも下調べしてません。エッヘン。

バスで高松市内に向かいました。いやあ、何という山の姿でしょう。聞かされていた通りじゃありませんか! 日本昔話の世界ですな。冗談としか思えません。本物ですか?

え、ここで降りますか? 何処です、ここは? はあ、ホテルの前? あら、このホテルに泊まるんですね。何という名前ですかあ? (もう、管理人は放っておきましょう)

はい、空腹です。1時になるし、飛行機の中で紅茶3杯飲んだだけです。(計画実行)
おお、うどん! 香川といったらうどんですね。何処かありますか?
はい、おさかなさん(3Dファン倶楽部の代表さん)には内緒ですね。きっと、何故、あんな店に行ったんだとか言われますよね。もっと良いうどんがあるとか言われるに決まってますよ。これだから素人は…、なんてね。

トトロ殿の事前調査は完璧でして、ホテルのすぐ近くにある有名店にでかけました。やはり、観光ガイドに載っている店でないと、土産話も通じないですしね。『ざるうどんの宗家川福』にて、釜上げを頂きました。しこしこです。いやはや長いな、このうどんは。お客は皆ご近所の人のようでした。なるほど聞いていた通り、気軽に器を持ってやってきますね。やり取りが新鮮で、しばし聞き入ったりしちゃいました。
トトロ殿は、ここでお土産用のうどんを調達し、地方発送の手配まで済ませてしまいました。これで身軽に動けるというものです。さすが旅慣れている人は違うなあ。管理人は、そっくり真似しました。

食後のお茶をしているときにトトロ殿の携帯に着信です(嫌いな携帯が大活躍)。御親切なおさかなさんが我々を迎えに来て下さったのです。ホテルに戻りました。ロビーにて再会の御挨拶。おさかなさんの車で、高松市から丸亀市までドライブです。思い掛けなく、香川県庁舎(丹下健三設計)を間近に見ることができました。嬉しい。管理人は窓に張り付いて(まただよ)外の景色を眺めました。とにかく山が近い。うどん屋さんが多い。

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スケールアウトである


市街地を抜けても家並みは途絶えません。北海道人には瓦屋根が新鮮に見えます。平らな所はあまり無いようで、登ったり下ったりして山の間を走り続けました。でも山岳地帯という感覚はありません。例の、何とも可愛らしい形をした山が、ぽっこり、ぽっこり並んでいるのです。やあ、海が見えてきました。瀬戸内海です。おお、瀬戸大橋じゃありませんか! 団扇で有名な丸亀市は海沿いの町なのですね。祝甲子園出場!

途中で岡山から到着していたゴンスケ氏と合流、これで北海道のスタッフは勢揃いです。おさかなさん宅でTAGさんと再会の御挨拶。TAGさんは3Dファン倶楽部の重鎮で、AECのときに江戸のOFF会にも参加頂きました。今回は管理人とコラボレーションします。
ひと休みしてから、今回のコラボレーションの敷地を見に行きました。郊外です。

歴史の長さを感じさせる景観が、町のそこここに見受けられます。単に昔の建物があるということではなく、町のつくりに歴史が刻まれているとでも言いましょうか。奈良や京都で感じるものに近いですね。でも、もっと昔の匂いかな。それにしても、大通りは別として、道路の狭さに驚きました。最初はサイクリングロードかと思ったのです。でも、おさかなさんが車を乗り入れたので、ああ、道路なんだと、でも一方通行であると信じていました。対向車が来るまでは…。しかも、ワオー! 減速しないですれ違いましたぞ。

恐ろしいことに、車幅と同じくらいの小路なのに、歩道はおろか路肩も無しに家の壁が並んでいます。こりゃあ、門から一歩踏み出すと自動車にはねられますよ。後から気付いたのですが、おさかなさん宅のガレージの出口の床に、黄色いペイントで足跡の絵が描かれていました。落書きかと思っていたら、町中で結構見かけるのです。察する所、これは人間用の一時停止のサインなのですね。その位置に立つと、鼻先を掠めて車が走り抜けて行きます。それも結構なスピードなのですよ。

「郊外の田園地帯に出ましたよ」と、おさかなさんが言われるのですが、どこが?
たしかに密集はしていませんが、家並みは続いています。ただ、言われてみると、家の周囲には広い庭が、はあ? 田んぼですかあ?
田んぼなのです。曲線的なので生け垣だと思った所があぜ道で、それに囲まれた内側が一枚の田んぼというわけです。でも、大形トラクタの幅より狭いのでは?

「あれが讃岐富士です」と、おさかなさんが言いました。おお、四国の富士山とな!
あのう…、どれでしょう? もしや、あの…、すぐそこの…、ちょっと小高い…、ああ、ポッコリ山でしょうか? (四国の皆さん、怒らないで下さい)
北海道にも「蝦夷富士」と呼ばれる山があります。つまり羊蹄山ですが、頂きは積雪で白く輝き、雲の中。広大な裾野を持つ、美しいシルエットの孤峰です。
「讃岐富士」も、たしかに孤峰です。でも裾野がないので、平らな地面にポッコリ置かれた感じです。高さは…、高さは…、ふむ、周りの山より、ひと回り大きいですね。

この辺りで、管理人は気付くべきだったのです。いま走っている道は、とても狭いけれど国道であること。ゆったりした住宅地に見えるけれど農村地帯。母屋よりちいさい納屋(トラクタなど入れそうもないし、住宅の物置きだと思っていた)。思い返せば、あの高松空港のサイズ。ピクニックが楽しそうな「讃岐富士」。どちらを向いても地平線はなく、ポッコリ、ポッコリ、山ばかり。ああ、何もかもちいさい…。

敷地に着きました。
あああ、やっぱり! 敷地もスケールアウトじゃあ!(思わずトトロ感嘆詞)
ここで、事前に頂いた、コラボレーション用の敷地の写真をご覧下さい。


既存建物、冊のこちらは田んぼ、手前に道路


中央のポッコリが「讃岐富士」、すぐそこにあります。


おさかなさんは、香川は箱庭みたいに穏やかな気候の土地です、と事前に教えて下さいましたが、スケールまで箱庭であるとは思いませんでした。万事6割サイズという見当でしょうか。たとえば地図上の距離感ですが、細いので道路が長く見えます。そのため、遠いと思っていても実際の距離は近かったりします。配置図も然りでして、前面道路を北海道の感覚で見てしまうと、全体のスケール感が狂います。周辺環境の描写についても、郊外の田園地帯とか、敷地の隣は田んぼとか、のイメージを北海道サイズで考えてしまうとアウトです。宅地の半分の面積もない田んぼというのは家庭菜園みたいなサイズです。

管理人が用意したコラボレーションのプランは、スケール感の違いによって相当に意味合いが変わってしまいました。このスケールアウトはトトロ殿にもあったようで、動揺の色を隠せません。二人は敷地に立ち、しばし茫然としたのであります。急に暑さを感じました。ここは北海道ではないのだ、という実感がやっと湧いてきました。数時間前に走った道路は半分以上が雪で塞がれていましたが、ここには雪のかけらもありません。土が見えて緑があって、花まで咲いています。今朝は吹雪きの中、ヘッドライトをつけ、凍てつくワイパーをせっせと動かしていたのに、ここでは風までぬるいじゃありませんか。


北海道はこうだった…


その夜は、おさかなさんが案内して下さった通好み(?)の店で食事をしました。珍しいものが次々と出てきて、ひとつも覚えられません。唯一、緑色のうどんだけが記憶に残っています。スケール感にダメージを受けた管理人は珍しく寡黙でした(管理人にしては、という意味)。トトロ殿もいつもより言葉が少ないです(御心配なく。コラボレーションに参加する美女が一人、同席していたからです。ふふっ)。

それからどうした?
下記がトトロ氏のモバイルレポートです。

高松珍道中   魔法使いトトロ
email:
totoro@badboy.co.jp  Sat Mar 11 0:22:27 Japan 2000

高松に到着後はまず讃岐うどんの洗礼を受け、丸亀にて
ゴンスケさんや「3Dファン倶楽部」の皆さんと打ち合わせ。
酔っ払いトトロに付き合って午前様となった。
明日本番の準備はできていない!どうなる?

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本番である


3月11日、オープンレクチュアの本番であります。
早朝なのに、3Dファン倶楽部の大山氏と大山嬢が高松のホテルまで迎えに来て下さいました。道すがら観光ガイドまでして頂きました(本当にありがとうございました)。
はい、栗林公園ですね。おや、今日は春の野点ですか、優雅ですねえ。もう暖かですものねえ…。そういえば、昨日は子供達が川の中で遊んでいましたよ。北海道なら凍死してますね。ああ、うどん屋さんですね。また、うどん屋さんがありますね。あそこもうどん屋さんですね。あれもうどん屋さんですか。おおっと、丸亀城が見えました。

会場はポリテクカレッジ香川(香川県丸亀市)、参加者60名の大盛況。
詳しくは『おさかな邸うどん的SOHO計画』のページをご覧下さい。



おさかなさんが北海道トリオを紹介


何か言ってる管理人


猛者揃いの参加者の皆さん(恐い…)


立派な設備のポリテクカレッジ香川


語るトトロ氏、奥から見守るゴンスケ氏、立ち姿のTAG氏、観念する管理人






オープンレクチュアとワークショップは波乱万丈、予想外の展開もありましたが、参加いただいた皆さんには、何かしらの刺激にはなったと思います。管理人は、とてもよい勉強になりました。これで3回目のオープンレクチュア経験ですが、毎回、思い掛けない収穫が得られます。今回は特に得る所が多く実行することの大切さを痛感しました。企画構想されたトトロ氏とゴンスケ氏もコラボレーションの将来性に自信を持たれたようです。

実際、設計者を刺激するという見地からは、コラボレーションの威力は大したものです。下の画像は、調整役に徹していたはずのゴンスケ氏が、我慢できずに作成してしまった作品です(じつは他にも数点作成してしまったようです)。水の扱いが素晴らしい!



夜の懇親会は、さらに人数が増えました。巨大な焼き鳥屋さんが会場でした。それにしても、こんな焼き鳥は初めて食べました。とってもスパイシー!
管理人は、すでにバテバテでしたが、皆さんはとっても元気。あちこちで車座になり、談論風発、留まる所を知りません。皆さんとても親切で、管理人の本が四国の本屋にないことを代わる代わる教えて下さいました(森北出版さん、よろしくお願いします)。それはさておき、皆さんの勉強熱心には頭が下がりました。すでに次回の勉強会の打ち合わせを始めていましたが、今回の参加者にしても四国のあちこち、遠くは瀬戸内海を超えて来ているのです。いまだ一度も勉強会を開いていない当クラブの管理人は小さくなっていました。そういえば、トトロ殿も妙に控えめでした(御心配なく。美女が数名、間近に座ってトトロ殿に話し掛けていたのです。ふふっ)


下記はホテルに戻った管理人が、トトロ殿のモバイル環境をお借りしたレポートです。

無事任務完了   管理人
email:
aoyama@hokkai.or.jp  Sat Mar 11 21:22:00 Japan 2000

管理人はトトロ殿、ゴンスケ殿とともに無事香川での任務を達成しました。
出発時点でタイムスリップに巻き込まれましたが、これは後程。
ともかく、60名を超える参加者を前に、丸一日の公開講座を終えました。
うどんも美味しかったです。

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観光旅行は土佐の高知である


そして高知の夜はふける...   魔法使いトトロ
email:
totoro@badboy.co.jp  Sun Mar 12 17:44:29 Japan 2000

本日は管理人さんと高知巡り...
日曜市で買い食いそして買い食い...
桂浜へ行ってワークステーション設計の
「坂本竜馬記念館」へ...カッコイイ!。
夜は土佐名物料理を堪能予定...
なんだか食べてばっかりだぁ(^^;...。


たしかに沢山食べました。
3月12日の朝、丸亀から振り子特急で大平洋岸の高知市へ出発です。
お膳立てはすべてトトロ殿、管理人は付いて行くだけの楽ちん旅行です。列車で四国を横断したわけですが、山深い上に険しい所なんですねえ。日本昔話の山は見た目は可愛いですが、裾野が無いのでいきなり急勾配ということです。家も道路も山肌に張り付いて、半分は宙に浮かんでいるではありませんか。落ち武者が逃げ込んでも、私なら追い掛ける気になれません。よくもまあ、こんな所に線路をかけましたなあ。単線であるのが納得できます。トンネルと急カーブの連続で、列車は大きく傾きながら走ります。管理人は窓に張り付いて(まただよ)、空中庭園のような外の景色を眺めました。

山の様子が変わってきました。ポッコリではなく、裾野があります。はい、高知市に到着しました。ここも海辺の町なんですね。(どうも海という実感がありません)
ホテルは駅前なので、すぐにチェックイン、の時間はまだなので、荷物を預けて観光に出発です。どこへ? そりゃあなた、土佐の高知の何だっけ? そう「はりまや橋」しか管理人は知りません。がっかりしようが平気です(札幌時計台へ行きましょう)何としても行くのです。はい、行きましたとも!



つぎは何処ですかトトロ殿? 日本最大の朝市、高知の「日曜市」。ここから5分の距離ですよ。いかにも今日は日曜日、トトロ殿の計画は、ことほどさように完璧なのです!
長さ1kmという朝市は美味しかったです。はあ? いえ、つまり食べ物が色々ありましてね、干し柿は甘いし、干し芋は柔らかいし(管理人はドライフルーツ?が好きです)。名前忘れたけど魚の干物も香ばしいし、ちいさなトマト(トトロ氏購入)はジューシーだったし、デザートには蜜がたっぷりの蜂の巣を食べて、ついでにレンゲの蜂蜜も買っちゃったのであります。市の終わりは高知城の大手門。やあ、天守閣が見えますね。管理人は持参の望遠鏡を取り出しました(いままでは何もかも近くて使えなかったのです)。



はい、そこに市場がありますね。知る人ぞ知る「ひろめ市場」であります。入ってみると通路に椅子とテーブルが並んでいます。ちょうどお昼なので、たいそうな賑わいです。皆さん市場のお店で買ったものをテーブルに並べてお食事中。我々もお昼はここで済ませるということに。それにしても広い市場です。まずは一回りしてメニューを組み立てましたが、中華もカレーも韓国料理もピザまであるから困ります。でも、ここは高知です。何かそれらしいものを探しましょう。「うつぼのたたき」と「うつぼの煮凝り」、「さばのさしみ」までは覚えています。ボリュームがあって、管理人はギブアップ。

「ひろめ市場」を出てからは「じゃこ天」と「芋けんぴ」を食べただけ、トトロ殿は「土佐の深層水」、管理人は「ゆず水」を飲みながら散歩です。やはり南国ですねえ、暑いです。この日の高知は快晴で最高気温は17度、ちなみに札幌は最高気温0度で雪でした。
さて、ここで管理人は観光ガイドで見付けた某所へ行きたいと申し出ました。するとトトロ殿は、ここからそこへは電車が便利、これも名物ですから乗りましょう。


管理人は、こういう分かりやすい案内が好きです。


着いたところは此処であります。(下らなくてスミマセン)
北緯33度33分33秒、東経133度33分33秒


そのポイントは川の中にあります。

さて、気を取り直して下さい。次は名勝「桂浜」へ参りますよ。
タクシーが確実であるというトトロ殿の提案で、まずは「坂本龍馬記念館」まで一走り。このとき、つくづく思いましたが、高松も丸亀も高知も、とても町なかが静かです。街頭放送や呼び込みの声もなく、パチンコ屋の前でさえ静かなのです。それにゴミが落ちていません。特に高知では、外壁に突き出した看板がありません。交通標識は白くペイントされています。駅前や繁華街に路上駐車がありません。うーむ。

着きました。「坂本竜馬記念館」です。



ミラーガラスに大平洋の水平線が映り込むなど、外観も内部空間も素敵な建物でした。二人とも展示物には目もくれず(スミマセン)せっせと設計を観察しました。隣の国民宿舎と設計意図を無視した動線設定に、トトロ殿と一緒に憤慨しました。コンペまで開いて手に入れた、これほどの建築を台無しにする感覚は、如何なものかと思います。

さて、地図(ご自由にお持ち下さい)によると、この高台の下に「桂浜」が広がっているはずです。ただし、降りてしまうと帰りのバス停まで相当の距離を歩くことになります。「桂浜」の端まで行き、そこから登りがだらだらと続いているようです。脚力に自信のある管理人は、地図を眺めて溜め息をつきました。ま、覚悟を決めましょう。


桂浜の「本浜」です。美しいですねえ、雄大ですねえ…

突き出ているのは「龍頭岬」です。ね、あの端まで歩くのですよ。遠いでしょう?
と見えますが、それは写真だからです。どの観光写真でも雄大に写っていますが、実際にはこじんまりした砂浜なのです(美しいことは確かですよ)。例のスケールアウトがここでも出現しています。管理人の足でさえ、あっという間に歩き切ってしまいました。長い登りと思えた道も、あらま、着いちゃった、てなものでした。そこには、巨大な「坂本龍馬像」が建っていました。そうそう、そつなく「アイスクリン」を食べましたよ。しかし「潮の香り」がないのが不思議です。椿の花が満開というのも不思議でしたが…。

高知市内に引き返し、ホテルでひと休み。ちょうど夕飯の時刻となりました。はりまや橋の周囲は繁華街なので、そこで土佐料理を頂きましょう。お店の名前は忘れてしまいましたが、豪華な「皿鉢料理」(しかもトトロ殿のおごりです)で乾杯です。研究者であるトトロ殿は、店にある地酒をすべて試されました。管理人は食に徹しました。「のれそれ」「どろめ」「カツオのたたき(絶品!)」「さばの姿寿司(迫力!)」「鯨のさえずり」「鯨のさしみ」「まいご(貝)」「ちゃんばら(貝)」「ばい貝」「ガシラ(カサゴ)の唐上げ」などなど一杯。まったく今日は高知を堪能した一日でした。帰り道、二人はコンビニエンスストアに立ち寄って、夜食を仕入れてからホテルに戻りましたとさ。

さあ、明日は北海道に帰ります。お世話になった皆さん、四国は最高でした。本当にありがとうございました。

ただいまあ   管理人

email:aoyama@hokkai.or.jp  Tue Mar 14 22:10:51 Japan 2000

管理人は無事帰宅できました。
四国の皆様とツァーコンダクタートトロ氏のおかげで最高の旅でした。
珍道中報告は(タイムスリップの発生についても)ただいま作成中です。
帰ってみると、留守番させられたiMacが、拗ねているのか起動せず、
やっとなだめて、この報告を書き込むことができました。
香川のオープンレクチュアは60名を超える大盛況でした。
かなり遠方からの参加もいただき、勉強熱心に頭が下がりました。
とにかくすごい熱気で、懇親会では人数まで増えてました。(熱膨張?)
あのバイタリティー、見習いたいものです。
追伸
江戸の黒板当番さん、山崎@ゼロ・オフィスさん、救援ありがとうございます。
クラブの事を忘れて、目一杯、観光してしまいました。お許しを...m(^-^)m

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