畑中プロジェクト
|
敷地条件
|
敷地の平面図です。
(淡い色の部分が建設可能範囲)
札幌テレビ塔方向のみ視界が得られますが、基礎の高い2階建が建つとアウトです。
南上がりの傾斜と隣接建物のため、太陽が高く上がる時間帯のみの日照です。
一般的なプランでは隣地からの距離が不足で、居間などへの直射採光は難しい。
(主要な部屋を2階に上げる方法もありますが、家事に負担が掛かります)
|
|
敷地を3次元にしてみました。
(スタートは道前面路から見た景観です。コマ送りでも見て下さい)
最大高低差が4mを超えるので、普通の家の姿は忘れて下さい。
日照条件も合わせて、密集地の住宅に近い条件です。
数値が少ないため傾斜の精度は低いです。
大きな相違があれば、ご指摘下さい。
|
|
画像をクリックするとQuickTimeが開きます。(315KB)
ページトップへ
一般的な設計で考えると…
|
以下は、一般的な方法で設計すると、どうなるかのシミュレーションです。
この環境に、いわゆる常識的なプランを持ち込んでみます。
..............................................
南に庭をとるので、できるだけ建物を北側に寄せます。
高低差を吸収するため、基礎が人の背丈より高くなります。
(お隣がそうですね)
高い基礎に2階建が載り、しかも道路に近いとなると圧迫感が生じます。
町並みへのデザイン的な配慮は、住環境にとって大切です。
(車庫のシャッターの連続では倉庫街です)
|
|
南の庭です。
こちらにレベルを合わせると、道路側の基礎は高くなります。
サンプルの住宅は、1階と2階を合わせて40坪の床面積です。
標準的な設計では、このような形状になるでしょう。
(所要室の条件からの推定です)
大きな吹き抜けを持ち込むと、総2階になります。
道路面のファサードは、正方形に近くなることでしょう。
(間口と高さが同じになる)
|
|
配置はこうなるでしょう。
南に庭をとるために建物は北側に寄せます。
(問題なしに見えますが…)
|
|
冬至のお昼の影です。
南の庭に日照がないことがわかります。
南の壁面には日照があります。
基礎が高く、南側を広く開けている効果です。
|
|
画像をクリックするとQuickTimeが開きます。(857KB)
しかし…
冬至とはいえ、日照のない庭はいかがなものでしょう。
たぶん、テラスからは解けない雪と、正面の倉庫の屋根から落ちた雪が見えます。
(正面の倉庫と、その屋根は、夏でも眺めることになります)
何か対策が必要です。
先に、密集地と同じ条件と言ったのは、以上のようなことです。
南側が気持ち良くないのです。
一般的なプランは、一般的な環境のときに成立します。
もちろん建設はできますが、住み心地は…
|
じつは、どのように恵まれた環境であっても、一般的なプランなどあり得ません。
生物としての人間は、どんな住宅にも住めます。
全人類が同一のプランで生活できます。
しかし、個性はバリエーションではありません。
また、刻々と変化して留まりません。
住まいは、個性の表現であると同時に、個性を引き出す場でもあります。
...........................
住むことで自分が変わる…
未知の自分と出会うことができたら、
その設計は成功したと言えるでしょう。
ページトップへ
|