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クマさんは思います。 建築家って何? しろすけさんの素朴な問いかけに触発されて、様々な想いが沸き上がります。 建築家と建築士、資格と能力、現実と理想… では、沈思黙考の手紙。 |
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「しろすけ」さんの「一刀両断」 ここに至る前の話が、どこかにがあったのかなぁ・・と思いながら、 そして、 管理人さんが「わたしはCADがわからない…」で応えている 「建築の設計者が図面の精度に神経質であるのは何故か?」も、面白く読みました。
「しろすけ」さんの「一刀両断」には、テーマ(イライラの素)がいくつか存在していて、 まとめて一言(1つの答え)というのは難しいと思いました。 (でも、日本の建築界全体の体質ですから、元をたどれば1つのことだとも思うのです。)
細部から考えてみます。 理解に誤りがあったら、訂正してください。
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「しばらく通って驚いたのは全てのCADが「図面描き機」だとわかった時です。」 同感です。
しかも、ルーチンワークとしての図面製作をいかに効率よくやるかというところに 開発・セールスの力点が置かれていました。
木造住宅の間取りを入力すると自動的に伏図まで描いてくれるものや、 ある数値を入れると、ドアとか窓とかを自動的に描いてくれる (VectorWorksもそれが売りのようなところがあるが・・・) などは、そのいい例です。
確かに、そうした道具は実務上は結構有効で、 特に、建て売りなんかをやっている工務店や不動産屋にはよく売れたようです
建築の図面を描くという作業は、建築家(設計者)だけがやるのではなく、 工務店や不動産会社の方も必要としていましたし、 なにより、図面製作は、彼らにとって、 まさに、ルーチンワーク、無駄としか思えない手続きのための作業で、 しかも、それなりの知識とかなりの技術が必要とされるやっかいなものでしたから。 (こういう分野はプログラムにまとめ易いし、それによって仕事が楽になるのだから、 お金も出し易かった)
一方、いわゆる設計者が設計のツールとして求めていたものは、 その個性により千差万別で、それらの要求を1つのものにまとめ上げるのは難しく、 プログラムを作りにくかったし、設計者はまた、古来貧乏で、 そういうお金が出せなかったのではないかと思います。
結果として、清書機械としてのCAD「図面描き機」ができあがったのだと思います。
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それから、建築士(建築家・設計家・・・)といわれる人たちが 本当にデザインをしているか、という問題もあります。 つまり、建築家(建築のデザイナー)の仕事がきちんと認識されているのか という問題です。
(「建築家とは?」というのは、結構でかいテーマです。 「建築士」という資格・称号もおかしなものです。 明治のいわゆる近代化の流れのなかで、むりやり移植・創設された概念で、 利権に絡んで、いろいろに変容しましたから、 いろんな所に「きしみ」、拒否反応が出ています。)
昔からそうらしいのですが、 何人かの所員を置いて、自分は仕事をとってくるだけの経営者 (肩書きには、管理建築士や一級建築士とある)、 あるいはそういうところでチーフや主任と呼ばれ、それなりに形態は考えているが、 自立していない=作ったものに責任を持たなくてもよい立場の実務家、 は基本的に建築家、デザイナーではないと僕は思っています。
そこがごっちゃになって、 「版下作成者」や「マネージャー」が「建築家」と称し、称されているのだと思います。
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驚愕の建築士試験!・・・「◯◯級図面製作士」という資格 実は、あるのです。 労働省の管轄で、たしか「建築図面製作〇〇級技能者」と言ったかと思いますが、 あります。
資格を持っても何のメリットも(名乗ることはできる)ないので、 全国で2〜300人しかいないと思います(建築士は100万人?を越えている)。
そして、○○級建築士もいいかげんです。 合格された方には、取り敢えず「おめでとう」といいますが、 資格があるからいい設計ができるかというと、全く関係がありません。 むしろ逆でしょう。
現行の建築士の資格は、 ある一定規模の建物について、その建築確認申請書を作ることができる という代書屋の資格に過ぎません。
チェックされるのは、設計(完成されるであろう建築空間)の良し悪しではなく。 建築確認のチェックに必要な(そして十分な)特定の知識があるか、図面が描けるかです。 「しろすけ」氏のお知り合いの女性のように、どちらかというと考えてしまう (だから手が遅くなる)タイプの人は、まず、落ちます。
私の知り合い(設計事務所に勤務・男)も、第1回目の受験で落ちました。 彼いわく、 「隣のおばさんは、いきなり矩計図(カナバカリ)から描き始めて、 それが終わったら、問題文を読んでいるんだよねー。それで受かっちゃたんだよねー」、 です。
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話がそれますが、 建築士の制度と建築確認申請の制度は行政の無駄、まさに屋上屋です。 理由は簡単です。 建築士という資格で、建築ができる人をチェックしているのですから、 その人がやろうとするものが適法であるか否かのチェックは不要のはずです。
言ってみれば、 車の運転免許を持っている人が、車を運転しようとする前に、 交通法規その他について試験されているようなものです。 こんな馬鹿なことはありません。(わかっているから、資格があるのですから)
むしろ、行政がやるべきは、資格者が適正に仕事をしているか否かのチェックでしょう。(しかも、その方が費用としても安くすむはずです)
そして、今回の建築基準法改正(悪)、民間建築主事制度は、 何の事はない、役所のOB(退職建築主事)の再就職先を作っただけのことです。 建築確認制度か建築士資格のどちらか一方は即刻廃止するべきです。 おそらく、それにより全国では数百億円の無駄が省けるはずです。
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コンピュータをアイディアプロセッサーとして使うこと。 建築を設計するという場合におけるコンピュータの利用としては、賛成です。 そうあるべきと思います。 僕は、CADのDはDicision(決定、解決、判断)としているのですが、 それと通底すると思います。
この場合の最終目的は、 「管理人さん」が言うように(僕の解釈)、 より良い現実の建築(の空間)の実現にあるわけですから、 そのためのシュミレーションというわけです。
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ね、ちょっと、クマさんの憤りが伝わるでしょ? 評論家の弁ではないのです。 寛容なクマさんにも限度があるのです。
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